11月19日。昨年よりも2日遅い積雪となった函館地方。一昨昨日まで陽が差せば汗ばむほどの陽気だったのに、それが一気に氷点下というのだからなんとも北海道である。函館は札幌よりは石垣島に近いので幾分暖かいことは暖かいのだがそこはやっぱり北海道。どこの団だか組だか知らないが、真冬並の寒気団が頼みもせずにやってきては挨拶もなしに雪を撒き散らかしてゆく。毎年のことだから仕方がないが、春までにはきっちりお引き取り願うからそのつもりでいていただきたい。などと言いつつ雪が降れば降ったで、カメラを持って庭だの街だの駆け回るのだろうなワタシは。
2月7日夜。雪に始まったVOL#20最後のショット、通算400枚目の写真をアップし終えた。旧ページのナビゲーション更新とリンクチェックもようやく完了。気が付くと、日中の雨はいつの間にか雪に変わっている──重く湿った雪だ。VOL21も雪で始まるのだろうか。北国の冬はけっこうしぶとい。
実は、撮影スタイルのけっこうドラスティックな変化があったシーズン#20なのである。とくに、後半あたりからは顕著に変わって来たのだが、地味目の写真ばかりだし、説明しない限り未来永劫金輪際分からないだろうから──誰も何も困らないとは思うが──説明させていただくと・・・
ひとつは、色調整が従来の「レベル」から「トーン」および「カラーバランス」にシフトしたこと。
RGBのヒストグラムと画像を見比べながら、ハイライト、中間、シャドーそれぞれのCYMKを調整して色を出すのだが、これがD300の絵にめっぽう効き目がある。従来ならゴミ箱直行間違いなしの激しいD300的色かぶりJPGが破綻もせずにまとまっていて、しかも、いったんバランスがとれたら、あとは基本オートマチックのマニュアル微調整でチョイチョイである。これは笑うしかない。「冨沙家」の写真も#394を含めて結局34枚をこの手で補正したのだが、統一された色温度と色調でバランス良く、しかも短時間で出力するこができたのだから──笑いすぎて、むしろ泣きたくなってくる。
今までの苦労っていったいなんだったんでしょう?
もうひとつは、D300での撮影が公私ともにJPGからRAWに移行したこと。これはけっこう大きい。
1月中旬頃、GPS購入に合わせて使い始めた「現像ソフト」の出来が想像以上で、D300で思いどおりの色がさらに出せるようになった──というか、どうやらD300のやつ、このソフトで現像することを前提にしてるんじゃないかとしか思えない。結局、2万数千枚の道標の果てに辿り着いたテクも、数日後にはあっさりと過去のモノとなってしまったのだが・・・もういいや、そんな昔のこと。
ともあれ、#395からはRAW撮影主体のD300なのであった。
ただし、D300のRAW現像で数を撮るにはそれなりの環境が必要なのも事実である。
有無を言わせぬマシンパワーがあってこそのRAW撮影。8GBのメモリーとRAMディスクによるキャッシュ、データ専用ハードディスク二台(1TB×2)によるバックアップシステムがなければ実際キビしかったと思う。幸いメモリもハードディスクも株価暴落的に価格が下落している。それが本当に幸いかどうか微妙なところだが、少なくともワタシにとっては幸いだったのはこれ幸いである。
ほかにもまだまだあるのだが、大きく変わった撮影スタイルは以上のふたつと、それに伴う些末な変化と、いくつかのトピックである。GPSユニットは、もちろんそれを必要とする撮影のためだが、真価を発揮するシーンはもう少し先の話になりそうだ。FLASHによるVRパノラマは、手を出したばかりなのでまだなんとも言えない。ある程度にせよ、極めるには奥行きがありすぎるが、やる以上は中途半端なことはしたくない。とは、今のところは「余力」でトライするしかない。
「余力」などとっくにマイナスゲージなのだが、まあ、それでもトライするしかないのである。
なぜって、2009年はきっとそういう年なのだから。
使っているカメラなど
NIKON D70 NIKON D70s NIKON D300 CANON IXY-DIGITAL70 GP-1(GPSユニット)