北海道の5月といえばまさに春の盛り。桜も咲き、深まる一方の春は、月末ともなれば俄にその濃密さを増し、むせるほどの艶やかさが、もうビッグバン状態である。春先に揃えた二本のレンズのうち、この頃にシグマ50mmを多用したのは、その悩ましいほど緻密な描写力ゆえ。そのカミソリ・テイストにすっかり魅せられ、気が付けば大半の写真を50mmマクロで撮っている。が、夏の足音が聞こえ始め、自転車で撮り歩く機会が増えるにつれ、お手軽便利なタムロン18-200mmを常用するようになった。標準以下・望遠以上では明らかにショボ〜ンな写りの同レンズだが、50mmマクロ一本での撮り歩きってのは、耳かきでカレーを喰う以上の無理がある。かといって、レスポンスと体力勝負の撮り歩きに交換レンズを持ち歩き、あまっさえ状況に応じレンズを換えるなんぞ、正気の沙汰とも思えず、以後タムロン18-200mmが常用レンズとして鎮座ましますこととなるのである。
ニコンD70
シグマ50mmマクロ