一期一絵(Onceshot in Life-time)#454 2010年10月8日 日本語と中国語と謎の言語の会話が交わされる店の国籍不明のヤンママの和風な名前の赤ん坊 撮影:2010年10月1日 四川餃子房にて

富山発四川餃子房経由函館行

いささか国籍不明っぽい店内に足を踏み入れるや、日本語の挨拶と中国語のやりとりが耳に飛び込んできた。もちろんオーダーは日本語で良いが、スタッフ同士は中国語オンリー。おまけに隣席のヤンママ達は謎の言葉で盛り上がっている。ともあれ、かねてから気になっていた水餃子日替わり定食を迷わず頼み──その量に驚く。そもそも水餃子だけで腹一杯になりそうなのに、定食のボリュームと来たらハンパじゃない。一瞬の逡巡ののち、水餃子を一口頬張るや、ナンデスカコレ!?アツアツの肉汁という名の幸せがジュワッと溢れ出た。ああこの幸せが少しでも長く続きますようにと願ってみるものの、ワタシの腹に幸せを独り占めできるキャパは、どう考えたってありそうもなく、残してしまうことは宝くじが外れること以上に明白だし、いっそのことと隣席の国籍不明な彼女たちに、食べきれそうもないアツアツの幸せを振るまってみる。折しも例の島がらみのニュースが流れる中、呆れ半分で微笑む店員達や、生あたたかい表情の客達の視線に晒されながら、ちょっとだけ幸せな時間は過ぎていくのであった──あと、キミが笑ってくれたら完璧だったんだけどね。

撮影データ

2010年10月1日 東京都大田区西糀谷4-26-8 四川餃子房にて MAP
NIKON D90 1/20秒 F4.0 240mm(35mm換算)