夏萌えといいつつ、実は秋も好きだったりするのだが、そのベクトルは右脳と左脳ほど違う。熱狂(フィーバー)の夏と、クールダウンの秋では、脳みその中の嗜好エリアも微妙に異なるのだろう。朝晩のヒンヤリとした大気を感じ始めると、身近な空間の中に季節の証明写真を求めたくなったりする。もしかすると「小さい秋萌え」なのだろうか。カメラを持って近所をブラブラしているのは事実だが、小さい秋を探しているとかいないとか、そんなこと否定することも肯定することもできない。自分でも何撮ってんだか分からないのだから。この頃になると転倒事故の怪我からもすっかり立ち直り、緑園通を中心に、自転車での撮り歩きが復活し始める。緑が褪せるのはまだ先のことだが、夕暮れの空の鮮やかなグラデーションに、祭りの後にも似た寂寥感を感じ、思わずカメラを向けたくなってしまうのは、秋というキャラクターの持つ魅力ゆえなのだろう。秋はやっぱり秋萌えだな。
ニコンD70 シグマ50mmマクロ