雪棄て場と化した公園の入口でこちらを見つめる野良ワンコ

犬の生活

首輪をつけず自由に徘徊する、一見お気楽そうなコイツがあまり羨ましく思えないのは、常に周囲を警戒しつつ、怯えるように歩き去る姿が哀れで、哀れを通り越して苛立ちさえ憶えるから。で、そうして数ヶ月。コイツはたぶん野良で、寝食は保証されず、いつ捕獲され処分されてもおかしくなく、そんな命運に怯えつつ,文字通り「犬」のような生活を送っているというか実際犬なのだが、このご時世、今日まで生き延びて来たという事実にちょっとだけ羨望の念を抱いたりする。実は、なかなかの強者だったりして──という思いを込めつつレンズを向けると、気のせいか背筋をしゃんと伸ばし、いつになく凛々しい視線を返してくる。ならばと思い一歩近づくと、尻尾を巻いて脱兎の如く逃げ出した。どうやら精一杯の虚勢を張っていたらしい。なんというか「犬」のようだが…ま、実際犬だし。

撮影データ

2012年2月12日 近所の公園にて
NIKON D90 1/2000秒 F4.5 75mm(35mm換算)