一期一絵(Onceshot in Life-time)#409 2009年3月15日 丸井今井函館店地下入口 撮影:2009年3月14日

変わらずに、在り続けて欲しい

子どもの頃、丸井今井の地下は憧れの場所だった。雑誌やテレビでしか見たことのないスパイスやら調味料やら食材で溢れ、たとえ買えなくたって眺めるだけでモノスゴク幸せな気分に浸ることが出来た──今もあんまり変わりないが。その丸井に閉店の噂がある。

久しぶりに訪れた本町だったが、随分と空き店舗が増えていたのには驚いた。向かいのダイエーも間もなく店を閉める。その上、もし丸井までが──そうならないことを願いつつ、久々の「デパ地下」に足を踏み入れたのだが・・・驚いた。けっこうな賑わいではないか。特にマリーカトレーヌ(ドンク)は、嬉しいことに混雑と言っていいほどだ。誘われるようにパン棚を覗きこみ「おおっ!」と心の中で快哉を叫ぶ。バリエーショの豊かさも、ベーシックアイテムの奥行きの深さも、企画商品の提案の上手さも、地力の桁が違うし集客力も違う。丸井という店はこうあるべきなのだ。いや、あって欲しいし、在り続けて欲しい。そう心の底から願わざるを得ない。なぜなら、丸井のデパ地下はワタシの憧れで、夢の詰まった場所だったのだと、あらためて思い知らされたから。

今以上に生活が苦しくなっても、ワタシはまだ耐えられるだろうと思う。
でも、夢や希望がこれ以上失われることには耐えられそうもないのだ。

撮影データ

2009年3月14日 丸井今井函館店地下入口 MAP
NIKON D300 焦点距離15mm(35mmフィルム換算) 1/80秒 F5.6 絞り優先AE ISO800