徒然的事柄コラム 2005年12月12日

【徒然的事柄】コラム Column@random

001スノーカップが残した教訓

新体操 第15回スノーカップ国際親善交流競技会での演技 その1

メラと根性さえあればなんでも撮れる─と、少しだけ思った

第15回スノーカップ国際親善交流競技会(9日〜11日サン・リフレ函館)の記事が、10日付「みなみ風」に掲載された。”跳躍”というタイトルのショットを眺めつつ、少し複雑な心境で昨年の大会のことを思い出す。それはちょうど一年前、やはり「みなみ風」に掲載された素晴らしい写真=脚を一直線に揃え跳躍する選手の正面ショット=が発端だった。300mm前後の望遠レンズで撮ったとおぼしきその写真は、前後のつま先が綺麗にボケていながら、上半身は鳥肌が立つくらい見事にピントとタイミングが合っていた。こんな写真を撮りたい!撮ってみせる!その時私の頭の中にはそれしかなく、実際、何も考えず突き進み、そして木っ端微塵に玉砕した。。

性とオシだけではどうにもならないこともあると知った

前々日、イラク人質事件の高遠菜穂子さん講演会を”取材”して妙な自信がついたばかりだった。機材も、テクニックも、モチベーションも、そして厚かましさも、チャンスと根性さえあれば撮れない写真はない・・・とまでははさすがに思わなかったが、何を根拠の密かな自信を持って臨んだことだけは確かだった。結局それはただの思い違いであったのだが、おかげで貴重な教訓を得ることが出来た。と、コラムには書いておこう。それにしてもあまりにも行き当たりばったり過ぎだった。次の機会のためのデータ収集という意義はあるだろうが、ザルだらけの情報と貧弱な装備を根性と押しだけでカバーしようとしたのだから、まあ、今思うとかなり恥ずかしい。

ひとつ─レンズが違いすぎる

想像以上に暗い室内では明るいレンズが必須だ。全域F2.8手ブレ補正付きの大口径ズーム(200mm〜300mm)が欲しいところだが、それだって難しい状況に変わりはない。ましてあれだけの動きを200mm〜300mmかつ1/80で撮るというのはの手持ちで夜景を撮るに等しい。撮れたら奇跡というものである。

ひとつ─カメラの連写性能不足

3.5コマ/秒では遅すぎるということはメモリ容量(1GB)も不足である。ひとつ−動きが速すぎて三脚では追従できない。上下左右に動き回る選手には一脚がむしろ必要だった。

ひとつ−撮影ポジションの制約

「特等席は」登録されたプレスにしか提供されない。一般席の最前列に陣取っても、プレスの連中はさらにその先からカメラを構える。距離のアドバンテージはレンズやカメラ性能に勝る。プレスに紛れるという手もあるが、時と場合によりけりだろう。

ひとつ−競技・演技内容・選手についてまったく知識がない

上手な選手の上手な演技を知らないから、手当たり次第行き当たりばったりで撮らざるえない。「取材」なら事前調査が常識。行き当たりばったりではどうにもならないということ。

功に繋げるため、失敗を忘れず

新体操 第15回スノーカップ国際親善交流競技会での演技 その2

等々、メモリと神経を使う割に、沢山のシャッターチャンスを逃してしまった(撮れたとしてもブレブレだったと思うが) 。結局、夢中で撮りまくった約400枚のうち、使えるショットはほんの数枚だけ。九割はブレブレで、奇跡的にブレていない残り一割もタイミングがまったく合っていなかったり、構図がメチャクチャだったり、早い話が壊滅状態であった。それから一年が過ぎ、見るのも嫌だったショットを振り返る心の余裕も生まれてきたようだ。よって、レタッチスキル向上で蘇ったショットを公開する事にした。スノーカップの苦い教訓を忘れず、成功のコヤシにするために。
まだまだコヤシはぜんぜん足りないけど。

(2005年12月12日 加筆修正:2007年12月23日)